量子コンピュータ IPO候補銘柄まとめ|2026年上場予定の注目スタートアップ【最新版】

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の購入を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載のIPOスケジュールや評価額は2026年5月時点の公表情報に基づくもので、今後変更される可能性があります。

2025年後半から2026年にかけて、量子コンピュータ業界では「IPOラッシュ」と呼べる現象が起きています。GoogleのWillowチップによる量子優位性の検証発表をきっかけに、IonQ・Rigetti・D-Waveといった既存上場銘柄の株価が大きく上昇し、これまで未公開だった量子スタートアップが一斉に上場手続きに動き出しました。

本記事では、2026年に新規上場した銘柄、上場手続きが進行中の主要候補、そして「次のIPO」と目される予備軍までを、投資家視点で整理します。米国株投資をしている個人投資家にとって、新規上場直後の量子銘柄は値動きの大きい投資対象となるため、事前に各社の特徴を押さえておくことが重要です。

2026年の量子IPOラッシュとは

量子コンピュータの上場銘柄は長らく「ピュアプレイ4銘柄」と呼ばれるIonQ(IONQ)、D-Wave Quantum(QBTS)、Rigetti Computing(RGTI)、Quantum Computing Inc(QUBT)の4社に限られていました。これに続く第5の銘柄として2025年にArqit Quantum(ARQQ)が加わり、そして2026年に入ると一気に上場の動きが加速しています。

背景にあるのは、2025年10月にGoogleがNature誌で「Quantum Echoes」アルゴリズムによる量子優位性の検証可能な実証を発表したこと、そしてQuantinuum・PsiQuantum・QuEraに対するNVIDIAの大型出資(合計十数億ドル規模)が同時期に明らかになったことです。これにより、機関投資家マネーが量子セクターに本格的に流入し始め、SPAC(特別買収目的会社)を経由したスピード上場や、伝統的IPO手続きへの動きが連鎖的に発生しています。

すでに上場した量子コンピュータ銘柄(2026年上場組)

Infleqtion(NYSE:INFQ)|中性原子方式の先駆け

米コロラド州ボルダーに本社を置くInfleqtion(旧称ColdQuanta)は、中性原子方式の量子コンピュータと高精度量子センサーを手がけるスタートアップです。Churchill Capital Corp X(CCCX)とのSPAC合併によって2026年2月17日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場し、ティッカーは「INFQ」。合併時の企業価値は約18億ドル、調達総額は約5.4億ドルでした。

同社はDARPAのUS2QC(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing)プログラムにMicrosoft・Atom Computingと並んで選定されており、AI・防衛・宇宙センシング分野での製品開発を加速する方針を打ち出しています。中性原子方式のピュアプレイ銘柄が公開市場で取引できるようになったのは、世界で初めてのケースです。

Xanadu Quantum Technologies(NASDAQ・TSX:XNDU)|光量子方式で世界初の上場

カナダ・トロント拠点のXanaduは、Crane Harbor Acquisition Corp.とのSPAC合併を経て、2026年3月27日にNasdaqとトロント証券取引所(TSX)に同時上場しました。ティッカーは「XNDU」。プロフォーマ企業価値は約31億ドルで、光量子(フォトニック)方式のピュアプレイ銘柄として世界初の上場となりました。

調達した資金(手数料控除後で約2.6億ドル)は、室温動作する光量子コンピュータ「Aurora」の量産化と、2029年までにカナダ国内に量子データセンターを構築する計画に投じられます。AMD・Bessemer Venture Partners・OMERS VenturesといったPIPE投資家が参画している点も特徴です。

上場手続きが進行中の主要候補

Quantinuum|2026年最大の量子IPO候補

Honeywellが約54%を保有するQuantinuumは、トラップドイオン方式で世界トップクラスの性能を誇る量子コンピュータ企業です。56量子ビットのH2プロセッサで量子ボリューム2の25乗を達成し、Helios(98量子ビット)を2025年11月に商用提供開始しました。Amgen、BMW、JPMorgan Chase、SoftBankといった大手企業が初期顧客に名を連ねます。

同社は2026年1月に米SEC(証券取引委員会)に対してフォームS-1を秘密裏に提出済みで、SPAC経由ではなく伝統的IPOの道を選択。Bloomberg報道によれば主幹事はモルガン・スタンレーとJPMorgan Chaseで、調達額15億ドル超、評価額150億〜200億ドルが想定されています。実現すれば量子コンピュータ業界で過去最大のIPOとなり、Honeywellは上場後12〜36か月で保有株式の売却計画も明言しています。

IQM Quantum Computers|欧州初の上場量子ハードウェア企業へ

フィンランド・エスポー拠点のIQMは、超伝導方式の量子コンピュータをオンプレミス販売する欧州最大手です。2026年2月23日にReal Asset Acquisition Corp.(RAAQ)とのSPAC合併を発表し、評価額18億ドル、2026年6月頃の上場完了を目指しています。一次上場はニューヨーク市場、ヘルシンキでの追加上場も計画中です。

IQMは13の組織・21の量子システムを世界各地に納入済みで、ドイツのLRZスーパーコンピュータセンター(150量子ビット計画)、スペインCESGAの54量子ビットシステム、日本の東陽テクニカ向け20量子ビットシステムなど、機関投資家が「収益が見える数少ない量子企業」と評価する案件を多数抱えています。2025年の売上高は約3,500万ドル、ブッキング額は1億ドル超と公表されています。

Pasqal|フランス発・中性原子方式の有力候補

フランス・パレゾー拠点のPasqalは、2022年のノーベル物理学賞受賞者であるアラン・アスペ氏が共同創業した中性原子方式の量子コンピュータ企業です。2026年3月4日にBleichroeder Acquisition Corp. II(Nasdaq:BBCQ)との事業統合契約を締結し、評価額20億ドル(プレマネー)でNasdaq上場を予定しています。クロージングは2026年下半期の見通しです。

同社はIBM Quantum Networkに参加し、NVIDIA・Sumitomo・Thales・CMA CGMなど25社以上を顧客に持ちます。今回のSPAC統合とは別に、Quanta Computer・LG Electronics・CMA CGMなどから2億ドルの株式調達も完了済みで、調達総額は6億ドル超。SPAC経由のあと、後日Euronext Parisへの追加上場も視野に入れています。

今後の上場予備軍(未発表だが「次」と目される企業)

PsiQuantum|光量子方式・最大の未公開ユニコーン

米シリコンバレー拠点のPsiQuantumは、シリコンフォトニクス技術を使った100万量子ビット級の汎用量子コンピュータ構築を目指すスタートアップです。2025年9月にBlackRock主導で10億ドルのシリーズEを完了し、ポストマネー評価額は70億ドル。GlobalFoundries・NVIDIAと連携し、米イリノイ州とオーストラリア・ブリスベンで同時並行で量子コンピュータ施設を建設中です。

2026年4月には東京大学・三菱ケミカルとNEDO支援の人材育成プログラムを発足させており、日本市場でも存在感を高めています。正式なIPO発表はまだですが、複数のメディアが2026〜2027年内の上場を「最有力候補」と報じています。

SandboxAQ|AI×量子のソフトウェア企業

2022年にAlphabet(Google親会社)からスピンアウトしたSandboxAQは、量子センシング・AI・PQC(耐量子暗号)ソフトウェアを軸に展開しています。2025年に4.5億ドルのシリーズEを評価額57.5億ドルで完了。ハードウェアではなくソフトウェア・アプリケーション層に特化したビジネスモデルが、純粋な「量子計算ハードウェア」企業とは異なる魅力として機関投資家から評価されています。

QuEra Computing|中性原子で論理量子ビット96個を達成

マサチューセッツ州ボストン拠点のQuEraは、ハーバード大学のミハイル・ルーキン教授らが共同創業した中性原子方式の量子企業です。Google QAI、SoftBank、NVentures(NVIDIAのCVC部門)から累計2.77億ドルを調達済み。3,000量子ビットアレイを2時間連続稼働させ、検証済み論理量子ビット96個を達成(Nature誌、2026年1月)するなど、技術面では業界最先端クラスです。DARPA QBI(Quantum Benchmarking Initiative)のステージB認定も受けています。

Atom Computing|DARPAが選定した米国の希望

カリフォルニア州バークレー拠点のAtom Computingは、中性原子方式の量子コンピュータを開発しています。Microsoftと共同で24個のもつれた論理量子ビット(記録更新)を実証し、DARPA US2QCプログラムにも選定されました。未上場ながら、IPO予備軍として継続的に名前が挙がる存在です。

投資家視点でのリスクと注意点

量子IPO銘柄への投資には、通常の新興テクノロジー銘柄以上のリスクが存在します。第一に、SPAC経由で上場した量子銘柄は過去(IonQ・Rigetti・D-Wave)も含めて上場直後の株価変動が極めて大きく、Xanaduも当初予想5億ドルだった調達額が、SPACの株主償還によって3億ドル強に縮小しました。第二に、ピュアプレイ量子企業の多くは依然として赤字で、IonQの株価売上高倍率(PSR)は約158倍、Rigettiは975倍、D-Waveは376倍と、伝統的なバリュエーション指標では極端に割高です。

第三に、上場直後はロックアップ解除や創業者・既存投資家の売却に伴う株価下落リスクがあります。Quantinuumに関してはHoneywellが12〜36か月以内に保有株を売却する方針を明言しており、需給面での圧力が予測されます。

こうしたリスクを踏まえると、新規上場銘柄に集中投資するのではなく、既存ピュアプレイ銘柄や量子ETF(QTUMなど)と組み合わせ、ポートフォリオ全体での量子エクスポージャーを管理することが現実的です。詳しくは量子コンピュータ関連株まとめ【日本・米国】2026年版量子株 ポートフォリオ構成例【保守型・積極型】もあわせて参考にしてください。

量子IPO銘柄に投資する方法

2026年に上場したInfleqtion(INFQ)やXanadu(XNDU)は、米国株式市場で取引されているため、日本の個人投資家でも国内ネット証券から購入可能です。SBI証券・楽天証券・マネックス証券のいずれもINFQ・XNDU両ティッカーの売買に対応しています。

一方、新規上場直後の量子銘柄は価格変動が大きく、リアルタイムでの板情報や24時間取引対応が役立つ場面が多いのが実情です。米国株のリアルタイム情報を無料で確認したい場合は、moomoo証券のようなツール特化型サービスをサブ口座として併用する個人投資家も増えています。具体的な比較は米国量子株の買い方|SBI・楽天・moomooの手数料比較で詳しく取り上げています。

未上場のQuantinuum・PsiQuantum・SandboxAQなどに直接投資することは、個人投資家には事実上できません。代替手段としては、Honeywell(HON、Quantinuum親会社)への投資、QTUM ETF(PsiQuantumや上場済みピュアプレイ銘柄を組み入れ)の買付、もしくは関連する大手テック銘柄(NVIDIA・Alphabet・IBMなど)を通じた間接エクスポージャーが現実的な選択肢になります。

まとめ|量子IPOラッシュは「玉石混交」の時代へ

2026年の量子コンピュータ業界は、Infleqtion・Xanaduの上場を皮切りに、Quantinuum(伝統的IPO)、IQM・Pasqal(SPAC経由)と続く、過去最大規模のIPOラッシュ年となります。続いてPsiQuantum・SandboxAQ・QuEra・Atom Computingといった有力候補が控えており、ピュアプレイ量子銘柄の選択肢は年内に8〜10銘柄まで拡大する見通しです。

一方で、上場銘柄が増えるほど「玉石混交」が進むため、投資家側にも銘柄選別の目が求められます。量子方式(超伝導・トラップドイオン・光量子・中性原子)の違い、収益化のステージ、政府調達契約の有無、機関投資家のポジションなどを総合的に見て、投資判断していくことが重要です。本記事を起点に、各社の四半期決算発表や上場手続きの進捗を継続ウォッチしていきましょう。

※本記事は2026年5月時点の公開情報をもとに作成しており、特定銘柄の購入を推奨・勧誘するものではありません。IPOスケジュール・評価額・銘柄ティッカー等は今後変更される可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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