「米国の量子株(IonQ・Rigetti など)はもう高くて買えない」「日本株で量子関連を探しているが、情報が少なくてよくわからない」――そんな声をよく聞きます。
実は日本にも、量子コンピュータ関連事業に本腰を入れながら、まだ市場に十分に評価されていない銘柄が複数存在します。高市政権が「重点投資対象17分野」に量子技術を指定し、国策テーマとして注目度が高まっている今こそ、国内の出遅れ候補を把握しておく価値があります。
本記事では、個人投資家目線で注目したい日本の量子コンピュータ関連「出遅れ銘柄」5社を厳選し、それぞれの事業内容・量子分野での位置づけ・注目ポイントをわかりやすく解説します。
「出遅れ銘柄」とはどういう意味か
ここでいう「出遅れ銘柄」とは、量子関連の技術・事業を保有しているにもかかわらず、株価や時価総額にその期待値が十分に織り込まれていない銘柄を指します。米国のピュアプレイ(純粋量子専業)企業とは異なり、日本の量子関連銘柄の多くは大手企業の「量子部門」として存在しているため、株価へのインパクトが見えにくいという特徴があります。
逆に言えば、本業の安定した収益基盤を持ちながら量子ビジネスの上昇余地も取り込める、という見方もできます。
日本の量子コンピュータ出遅れ銘柄5選
① NTT(9432)|光量子とIOWN構想で独自路線
NTTは「光電融合」技術をベースにした独自の量子通信・量子コンピュータ研究を推進しています。同社が掲げるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想は、光を使ったネットワークと計算基盤の統合を目指すもので、量子インターネットとの親和性が高い取り組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 9432(東証プライム) |
| 量子関連事業 | 光量子コンピュータ研究・量子暗号通信・IOWN |
| 注目ポイント | 超伝導方式とは異なる「光量子」路線で差別化。国内最大の通信インフラと組み合わせた量子ネットワーク構築に強み |
| リスク | 量子事業の売上貢献は現時点では軽微。コア事業の通信収益への依存度が高い |
NTTの光量子技術は、室温動作が可能という点で冷却装置が必要な超伝導方式との差別化要素になり得ます。量子分野に特化した記事は「NTT 量子コンピュータ戦略|光量子・IOWN構想と株価への影響」も参照してください。
② 浜松ホトニクス(6965)|光量子の「心臓部」を握る部材メーカー
浜松ホトニクスは光を検出・制御するデバイスの世界的メーカーです。量子コンピュータの光量子方式や量子センサー分野において、単一光子検出器・光電子増倍管などのキーデバイスを供給するポジションにあります。量子コンピュータ本体を作るわけではありませんが、いわゆる「つるはし銘柄(インフラ部材)」として安定した需要が見込まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 6965(東証プライム) |
| 量子関連事業 | 単一光子検出器・光量子コンピュータ向け光学部品・量子センサー向けデバイス |
| 注目ポイント | 複数の量子方式(光量子・イオン)に部材を供給できる唯一無二のポジション。量子覇権争いの「勝ち組がどこになっても恩恵を受けやすい」構造 |
| リスク | 量子関連の売上比率はまだ小さく、既存の医療・産業向け光学事業の動向に株価が左右されやすい |
③ フィックスターズ(3687)|数少ない国内「量子ソフト」ピュアプレイ
フィックスターズは組み込みシステムやHPC(高性能計算)のソフトウェア最適化を手がける会社ですが、近年は量子インスパイア・デジタルアニーラ向けのソフトウェアソリューションにも注力しています。国内では量子コンピュータのソフトウェア・アプリケーション層に特化した上場企業は非常に少なく、希少性が高い銘柄です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 3687(東証グロース) |
| 量子関連事業 | 量子アニーリング向けソフトウェア・量子インスパイア最適化・Fixstars Amplify |
| 注目ポイント | 時価総額が小さく、業績連動で大きく動く可能性がある。量子ソフトに特化した国内上場銘柄として注目度が上がりやすい |
| リスク | グロース市場の小型株ゆえ流動性リスク・ボラティリティが高め。量子ソフト市場の立ち上がりには時間がかかる可能性 |
④ 日立製作所(6501)|シリコン量子ビットで独自路線
日立はシリコン半導体プロセスで量子ビットを実現する「シリコン量子コンピュータ」の研究開発を進めています。この方式は既存の半導体製造ラインを活用できるため、量産化・コスト競争力の観点で将来的な優位性が期待されています。同社はデジタルアニーラ(量子インスパイア)の商用展開でも先行しており、量子関連ビジネスでの実績が蓄積されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 6501(東証プライム) |
| 量子関連事業 | シリコン量子ビット研究・デジタルアニーラ商用展開・量子ソフト開発 |
| 注目ポイント | デジタルアニーラはすでに物流・金融・製造業へ導入実績あり。量子分野の収益化において国内で最も先行しているメーカーのひとつ |
| リスク | 巨大コングロマリットのため、量子事業の比率は全体から見ると軽微。株価ドライバーとしての量子テーマは限定的になりやすい |
⑤ QDレーザ(6613)|量子ドット技術の専門メーカー
QDレーザは量子ドット(Quantum Dot)構造を使ったレーザー素子の開発・製造に特化した企業です。量子ドットは量子コンピュータの量子ビット候補のひとつでもあり、光量子方式やフォトニクス集積回路への応用が研究されています。現状は産業用・医療用レーザーが主事業ですが、量子デバイス分野への展開余地があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 6613(東証グロース) |
| 量子関連事業 | 量子ドットレーザー・フォトニクス向け光源デバイス・光量子応用研究 |
| 注目ポイント | 「量子」の名が社名・製品名に直結しており、量子テーマへの関心が高まると注目を集めやすい。小型株ゆえ情報が出ると値動きが大きくなりやすい |
| リスク | 現段階では量子コンピュータへの直接採用実績は限定的。テーマ株的な動きが強く、業績との乖離に注意が必要 |
5銘柄の比較まとめ
| 銘柄(コード) | 市場 | 量子の切り口 | リスク水準 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| NTT(9432) | プライム | 光量子・量子通信 | 低め | インフラ×量子 |
| 浜松ホトニクス(6965) | プライム | 光量子部材・センサー | 低〜中 | つるはし |
| フィックスターズ(3687) | グロース | 量子ソフト・最適化 | 高め | ソフト特化 |
| 日立製作所(6501) | プライム | シリコン量子・アニーラ | 低め | 大手製造×量子 |
| QDレーザ(6613) | グロース | 量子ドットレーザー | 高め | 量子デバイス専業 |
日本の量子株を買う際の注意点
米国のピュアプレイとは性質が違う
IonQ・Rigetti・D-Waveのような米国のピュアプレイ銘柄は、量子コンピュータ単体の成長に株価が直結します。一方、日本の量子関連銘柄のほとんどは大企業の一部門として量子事業を持つ「複合企業」です。量子事業が好調でも、他のセグメントの業績次第で株価が動くことを念頭に置く必要があります。
技術の実用化には時間がかかる
量子コンピュータはまだ「NISQ(ノイジー中規模量子)」の時代にあり、実用的な誤り訂正が可能なFTQC(フォールトトレラント量子コンピュータ)の実現は数年先と見られています。長期的なテーマであることを前提に、ポジションサイズを慎重に管理することが重要です。
情報収集は一次情報から
量子分野の進捗は各社のIRリリースや学術論文から確認するのが確実です。SNSや掲示板の情報はノイズが多いため、公式情報を優先してください。
量子関連株を買える証券会社
日本株(NTT・浜松ホトニクスなど)はSBI証券・楽天証券など主要ネット証券で購入できます。フィックスターズやQDレーザのような新興グロース株も国内証券で取引可能です。
米国の量子株(IonQ・RigettiなどNYSE・NASDAQ上場銘柄)を併せて検討する場合は、米国株の取扱いが充実した証券会社を選ぶと便利です。moomoo証券は米国株・日本株をひとつのアプリで管理でき、銘柄のニュース・財務データなどの情報ツールも充実しています。国内外の量子株を横断的にウォッチしたい方には選択肢のひとつとして参考にしてみてください。
まとめ|国内出遅れ銘柄は「じっくり型」の投資対象
今回ご紹介した5銘柄は、いずれも米国のピュアプレイ銘柄のような急騰・急落とは異なる値動きをする傾向があります。一方で、量子テーマが市場に認知されていくにつれて、割安感が解消されるタイミングが来る可能性もあります。
重要なのは「量子コンピュータが何をできるのか」「どの企業がどの部分を担うのか」を理解した上で、自分のリスク許容度に合った投資判断をすることです。
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