「量子コンピュータの関連株に興味があるけれど、NISAの非課税枠で買えるのだろうか?」
2024年から始まった新NISA(恒久化・年間投資枠拡大)によって、量子コンピュータのような 成長テーマ株 を非課税で運用したい個人投資家が急増しています。とくに2026年に入り、IonQ・Rigetti・D-Waveといった米国の量子ピュアプレイ銘柄や、富士通・NTTなどの日本の量子関連企業が注目を集める中、「NISAで買えるのかどうか」は重要な分岐点です。
この記事では、量子コンピュータ関連株がNISAで買えるのか、買えるとすればどの枠を使うのか、具体的な買い方の手順までを2026年4月時点のルールで整理します。
結論:量子コンピュータ関連株のほとんどはNISAの「成長投資枠」で買える
先に結論からお伝えします。量子コンピュータ関連の上場株式・ETFは、ほぼすべてNISAの「成長投資枠」で購入できます。
具体的には次のとおりです。
| 商品タイプ | NISA成長投資枠 | 代表例 |
|---|---|---|
| 米国上場の量子ピュアプレイ株 | ○ 対象 | IONQ・RGTI・QBTS・QUBT |
| 米国上場の大型テック株 | ○ 対象 | IBM・GOOGL・MSFT・AMZN |
| 日本の量子関連株 | ○ 対象 | NTT・富士通・日立・NEC・浜松ホトニクス |
| 海外ETF(QTUMなど) | △ 証券会社所定の銘柄のみ | QTUM・ARKQ など |
| レバレッジ型・毎月分配型 | × 対象外 | 3倍ブル・ベア型ETFなど |
つまり、量子コンピュータ関連で 個人投資家が一般的に買いたいと思う銘柄 は、ほぼすべてNISAの非課税メリットを活用できると考えてよいでしょう。
そもそも新NISAの「成長投資枠」とは?
2024年1月にスタートした新NISA制度は、旧NISAと比べて投資枠が大幅に拡大されました。投資枠は2つに分かれています。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯非課税限度額 | 合計1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円) | 同左 |
| 対象商品 | 金融庁が指定する低コストの長期積立向け投資信託・ETF | 上場株式(国内・海外)、投資信託、ETF、REITなど幅広い |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 量子関連株 | ×(個別株は不可) | ○ ここで購入する |
個別の量子関連株や量子テーマETFを買うのに使うのは、必ず「成長投資枠」です。つみたて投資枠は金融庁指定の積立向け投資信託に限られているため、個別株はそもそも対象外です。
成長投資枠の対象になる条件
成長投資枠で買える金融商品には一定の条件があります。逆にいえば、これらに当てはまらなければ基本的に対象です。
成長投資枠で買えないもの:
- 整理銘柄・監理銘柄に指定された上場株式(上場廃止が決まった、または基準に抵触する可能性のある銘柄)
- 信託期間が20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託・ETF
- レバレッジ型の投資信託・ETF(3倍ブル・ベア型など)
- 外国籍の公募株式投資信託の一部
量子コンピュータ関連の主要銘柄(IonQ・Rigetti・D-Wave・QUBT・IBM・NTT・富士通など)は、これらの除外条件のいずれにも該当しないため、成長投資枠の対象になります。
NISAで買える量子コンピュータ関連株【ジャンル別】
1. 米国上場の量子ピュアプレイ銘柄
2026年時点で個人投資家から最も注目されているのが、量子コンピュータを主力事業とする米国上場の ピュアプレイ4銘柄 です。
| ティッカー | 企業名 | 方式 | 上場市場 | NISA成長枠 |
|---|---|---|---|---|
| IONQ | IonQ | イオントラップ | NYSE | ○ |
| RGTI | Rigetti Computing | 超伝導 | NASDAQ | ○ |
| QBTS | D-Wave Quantum | 量子アニーリング | NYSE | ○ |
| QUBT | Quantum Computing Inc. | 光量子 | NASDAQ | ○ |
これらはNYSEまたはNASDAQに上場する一般株式であり、整理・監理銘柄ではないため、成長投資枠で問題なく購入できます。ただし、いずれも赤字続きで株価変動が大きい銘柄であることには注意が必要です。
2. 米国大型テック株(量子事業を展開)
量子コンピュータに本格参入している大手テック企業も、当然NISAで購入可能です。
- IBM(IBM):Heronプロセッサで2026年の量子優位性挑戦
- Alphabet(GOOGL):Willowチップで誤り訂正の進展
- Microsoft(MSFT):Azure Quantumとトポロジカル方式
- Amazon(AMZN):AWS Braketによる量子クラウド提供
- NVIDIA(NVDA):CUDA-Qでハイブリッド量子古典の中核
これらは量子コンピュータ単体ではなく事業全体への投資となるため、ピュアプレイ銘柄と比べて値動きが安定しやすいのが特徴です。長期保有を前提とするNISA運用との相性は良好と言えるでしょう。
3. 日本の量子関連株
日本株は、東京証券取引所のプライム・スタンダード・グロース市場のいずれに上場していてもNISA成長投資枠の対象です(整理・監理銘柄を除く)。
| 証券コード | 企業名 | 量子事業の概要 |
|---|---|---|
| 9432 | NTT | 光量子コンピュータ・IOWN構想 |
| 6702 | 富士通 | 理研と1,000量子ビット計画 |
| 6501 | 日立製作所 | シリコン量子ビット |
| 6701 | NEC | 量子アニーリング |
| 6965 | 浜松ホトニクス | 光量子の心臓部となる光学部品 |
| 3687 | フィックスターズ | 量子ソフトウェア |
高市政権が「重点投資対象17分野」に量子コンピュータを含めた影響もあり、日本の量子関連株は2026年に入って国策テーマとしての注目度が高まっています。NISAの非課税メリットを長期保有で享受しやすい点で、日本株は個人投資家との相性が良い選択肢です。
4. 量子コンピュータ関連ETF
個別銘柄の選定が難しい場合は、量子コンピュータ関連企業に分散投資できるETFが便利です。
- QTUM(Defiance Quantum ETF):量子コンピュータ・機械学習関連企業に分散投資する代表的なテーマETF
- ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF):自律技術全般に投資し、量子関連企業も組み入れ
これらはニューヨーク証券取引所などに上場する海外ETFで、取扱証券会社が成長投資枠の対象として指定していればNISAで購入できます。多くの大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)はQTUMを成長投資枠で取り扱っており、購入は可能です。ただし、レバレッジ型ETFは対象外なので注意してください。
NISAで量子株を買うときの3つの注意点
注意点1:損益通算・繰越控除ができない
NISA口座で生じた損失は、特定口座・一般口座の利益と 損益通算できません。また、損失の翌年以降への繰越控除もできません。
量子ピュアプレイ銘柄のように値動きが激しく、含み損を抱える可能性が高い銘柄をNISAで買うと、損失を税務上活用できないというデメリットが発生します。長期で保有して大きな含み益を狙う前提であればNISAは有利ですが、短期売買や損切り前提の運用には不向きです。
注意点2:米国株の現地源泉徴収(10%)はNISAでも引かれる
NISAの非課税メリットは「日本国内の課税分(約20%)」が対象です。米国株の配当金には米国側で10%の現地源泉徴収がかかりますが、これはNISA口座でも控除されません。さらに、NISA口座の配当・分配金は外国税額控除の対象にもなりません。
もっとも、IonQ・Rigetti・D-Wave・QUBTといった量子ピュアプレイ銘柄は無配が一般的なため、配当課税の影響は限定的です。配当金まわりの詳細は別記事「量子コンピュータ株の配当・分配金まとめ」も参考にしてみてください。
注意点3:成長投資枠は年240万円・生涯1,200万円が上限
成長投資枠の年間上限は240万円、生涯では最大1,200万円までです。1銘柄に集中投資すると枠を一気に消費してしまうため、量子関連だけに振り分けるのではなく、ポートフォリオ全体のバランスを考えて配分することが大切です。
NISAで量子コンピュータ株を買うおすすめ証券会社
主要なネット証券のNISA対応状況を整理しました。NISAは1人1口座しか開設できないため、慎重に選びましょう(年単位での金融機関変更は可能です)。
| 証券会社 | 日本株 | 米国株 | 海外ETF | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | NISA手数料無料 | NISA手数料無料 | 取扱多数 | 総合力が高く、つみたて・成長両対応 |
| 楽天証券 | NISA手数料無料 | NISA手数料無料 | 取扱多数 | 楽天ポイントとの連携が強み |
| moomoo証券 | NISA手数料無料 | NISA手数料無料・為替手数料も無料 | 米国ETF中心に充実 | 米国株約7,000銘柄・他社にない量子関連銘柄も |
| マネックス証券 | NISA手数料無料 | NISA手数料無料 | 取扱多数 | 米国株分析ツール「銘柄スカウター」が充実 |
米国株中心に量子コンピュータ関連へ投資したい場合、NISA口座での米国株取引手数料が無料、かつ円⇔ドルの為替手数料も無料という点でmoomoo証券がコスト面で有利です。とくにIonQやRigettiといった米国ピュアプレイ銘柄を中長期で買い増していく運用では、為替手数料の差が積み重なって大きな違いになります。
一方、つみたて投資枠でインデックス投信を積み立てつつ、成長投資枠を量子関連株に充てたい総合派の方には、SBI証券や楽天証券のような総合ネット証券が向いています。
NISA成長投資枠で量子株を買う具体的な手順
NISAでの購入は、通常の特定口座取引とほぼ同じ流れです。ここでは初めての方向けに5ステップで解説します。
STEP1:証券口座とNISA口座を開設する
すでに総合口座を持っている方は、NISA口座を追加で申し込みます。新規の方はネット申込で本人確認書類とマイナンバーを提出すれば、最短数日〜2週間ほどで開設完了です。
STEP2:NISA口座への入金
銀行振込・即時入金サービス・クレカ積立など、各証券会社の方法で資金を入金します。米国株購入の場合、円のまま入金してから注文時に円貨決済を選ぶか、事前に米ドルに両替しておく方法があります。
STEP3:銘柄を検索する
取引画面で銘柄名やティッカー(例:IONQ、RGTI、QBTS)、または日本株の証券コード(例:9432 NTT)で検索します。
STEP4:「NISA(成長投資枠)」を選択して注文
注文画面で口座区分を選ぶ欄があります。ここで 必ず「NISA(成長投資枠)」または「NISA預り」を選択してください。「特定口座」を選んでしまうと課税口座での取引となり、後からNISAへ移管することはできません。
STEP5:約定確認
注文が約定したら、保有銘柄一覧で「NISA預り」になっているかを確認します。約定後に成長投資枠の残額がいくらになったかも合わせてチェックしておきましょう。
具体的なネット証券での操作方法については、別記事「量子コンピュータ株の買い方|SBI・楽天・moomoo証券で購入する手順【2026年版】」で詳しく解説しています。
NISA以外で量子株を買う選択肢との比較
NISAは万能ではないので、他の口座との使い分けも考えておくとよいでしょう。
| 口座種別 | 税金 | 損益通算 | 向いている量子株運用 |
|---|---|---|---|
| NISA成長投資枠 | 非課税 | 不可 | 長期で大きく伸びると見込む銘柄を保有 |
| 特定口座 | 約20.315% | 可能 | 短中期売買、損切り前提のピュアプレイ銘柄 |
| iDeCo | 運用益非課税・拠出時所得控除 | 不可 | 個別株は買えず、量子関連投資信託に限る |
たとえば、業績の安定した日本の量子関連株(NTT・浜松ホトニクスなど)はNISA成長投資枠で長期保有し、値動きの大きい米国ピュアプレイ銘柄(IonQ・Rigettiなど)の一部は特定口座で短中期売買する、といった使い分けが現実的でしょう。
まとめ:量子コンピュータ株とNISAは長期で相性が良い
本記事のポイントを整理します。
- 量子コンピュータ関連株のほとんどはNISAの「成長投資枠」で購入できる
- 米国ピュアプレイ(IONQ・RGTI・QBTS・QUBT)から、米国大手(IBM・GOOGL等)、日本株(NTT・富士通・日立等)、ETF(QTUM)まで幅広く対象
- レバレッジ型・毎月分配型ETF、整理・監理銘柄は対象外
- 注意点:NISAは損益通算・繰越控除不可、米国株の現地源泉徴収10%はNISAでも引かれる
- 米国株中心ならmoomoo証券、総合運用ならSBI・楽天証券が有力
- 長期での大きな値上がりを狙うなら、NISA成長投資枠の活用は税制上強力な選択肢
量子コンピュータは2030年代の本格商用化に向けて長い時間軸の成長テーマです。NISA口座で長期保有を前提に買い付けることで、非課税メリットを最大限に活かせる可能性があります。一方で、ピュアプレイ銘柄は値動きが激しく、含み損を抱える局面も想定されます。「長期で運用するつもりの資金で、生活に必要のない範囲で投資する」 という基本を忘れないようにしましょう。
関連記事として、量子コンピュータ関連株まとめ【日本・米国】2026年版、量子株 ポートフォリオ構成例【保守型・積極型】2026年版、量子コンピュータ ETFとは?買い方と主要銘柄一覧 もあわせてご覧ください。


コメント