Rigetti Computing(RGTI)株を徹底分析|超伝導×チップレット方式の挑戦者【2026年版】

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点(2026年4月)の公開情報に基づきます。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

米国株式市場で「量子コンピュータのピュアプレイ銘柄」として個人投資家から注目されるのが、Rigetti Computing(ティッカー:RGTI)です。IonQやD-Waveと並ぶ純粋な量子コンピュータ企業でありながら、独自の「超伝導×チップレット方式」という技術路線で差別化を図っています。

本記事では、Rigetti Computingの会社概要から技術の特徴、2025年通期決算、技術ロードマップ、主要パートナーシップ、IonQとの比較、投資リスクまでを個人投資家の視点で整理していきます。

Rigetti Computingの基本情報

Rigetti Computingは、2013年に米カリフォルニア州バークレーで設立された量子コンピュータ企業です。元IBM Researchの研究者であったChad Rigetti氏が創業し、現在のCEOはSubodh Kulkarni博士が務めています。2022年3月にSPAC合併を経てNASDAQに上場しました。

項目内容
社名Rigetti Computing, Inc.
設立2013年
本社米国カリフォルニア州バークレー
ティッカーRGTI(NASDAQ)
上場時期2022年3月(SPAC合併)
主要事業超伝導量子コンピュータの開発・クラウド提供
CEODr. Subodh Kulkarni

技術の特徴:超伝導×チップレット型モジュラーアーキテクチャ

Rigettiの最大の独自性は、超伝導方式の量子コンピュータを「チップレット型モジュラーアーキテクチャ」で構築している点にあります。

チップレットとは、小さな量子チップを複数つなぎ合わせて1つの大規模システムを構成する設計思想のこと。半導体業界ではAMDのRyzenシリーズなどが採用しており、巨大な単一チップを作るより歩留まりが高く、量産化やスケーリング(規模拡大)に有利と考えられています。

2026年4月、Rigettiは旗艦システム「Cepheus-1-108Q」の一般提供を開始しました。これは9量子ビットのチップレットを12個つなぎ合わせて108量子ビットを実現したもので、モジュラー型としては業界最大級です。なお、ここでいう「2量子ビットゲート忠実度」とは量子コンピュータの計算精度を表す指標で、99%や99.5%といった数値が用いられます。Cepheus-1-108Qは現在99.1%、年内に99.5%への到達を目指しています。

直近の業績:2025年通期決算

2026年3月に発表された2025年通期決算の主要数値は以下の通りです。

項目数値
通期売上高約710万ドル(前年比 約-56%)
GAAP純損失約2億1,620万ドル
1株あたり純損失(GAAP)-0.70ドル
期末現金等(2025年末)約5億8,980万ドル
有利子負債なし

売上規模は依然として小さく、前年比でも減少しています。一方で現金等は約5.9億ドルと潤沢で、無借金経営を維持。これは2025年4月にQuanta Computer(後述)から約3,500万ドルの第三者割当増資を受け入れた他、ATM(株式公開市場)増資やワラント行使を組み合わせて確保された資金です。

アナリストの試算では、現在のキャッシュバーンレート(現金消費ペース)で3〜4年の開発期間(ランウェイ)を確保している計算になります。なお会社側は2026年第1四半期に、5,700万ドル規模のNovera(オンプレミス型量子コンピュータ)出荷の一部計上を見込んでおり、前年同期比で大幅な増収を期待していると公表しています。

技術ロードマップ

2026年4月時点で公表されているロードマップは以下の通りです。

時期計画内容
2026年4月108量子ビット「Cepheus-1-108Q」一般提供開始
2026年中同システムの2量子ビットゲート忠実度を99.5%へ向上
2026年後半インドC-DACへの108量子ビットシステム納入
2026年末336量子ビット「Lyra」プロセッサ計画(忠実度99.7%目標)
2027年末1,000量子ビット級システム計画(忠実度99.8%目標)
2033年実用規模量子コンピュータ目標(DARPA QBIプログラム連携)

このロードマップで注目すべきは、「量子ビット数」と「忠実度」を同時に引き上げる計画になっている点です。量子コンピュータは量子ビットの数を増やしただけでは実用にならず、計算ミスを抑えるための忠実度向上が同時に必要になります。Rigettiの2027年末1,000量子ビット・忠実度99.8%という水準は、業界では「実用的な量子優位性に近づく入口」と位置づけられています。

なお、2026年初頭にはCepheus-1-108Qの一般提供時期が当初計画から数ヶ月遅延した経緯があり、今後のロードマップ実行にも一定の遅延リスクは存在します。

主要パートナーシップ

Rigettiは複数の戦略的パートナーシップを構築しています。

  • Quanta Computer(台湾):年間売上約430億ドルのサーバー製造世界大手。両社合計2億ドル以上の投資を5年間で計画しており、製造スケーリング(量産化)の鍵を握ります。
  • NVIDIA:ハイブリッド量子・古典コンピューティング分野での連携。
  • Riverlane:量子誤り訂正技術での協業。
  • Amazon Braket:AWSのクラウド経由での量子コンピュータ提供。
  • C-DAC(インド国立計算高度化センター):108量子ビットシステム納入契約(約840万ドル、2026年後半納入予定)。
  • AFRL(米空軍研究所):契約金額約580万ドル。

特にQuantaとの提携は、ピュアプレイ量子コンピュータ企業の長年の課題だった「量子チップの量産体制」を解決する可能性を秘めており、戦略的に最も重要視されています。

株価・バリュエーション

2026年4月時点でRGTIの時価総額は約52億ドル(約7,800億円)の水準にあります。ここで注目すべきはPSR(株価売上高倍率)が660倍を超えるという極端なバリュエーションです。これはAI関連の高PER銘柄をはるかに上回る水準で、「将来の量子コンピュータ事業の成功」を相当織り込んだ価格になっていることを意味します。

主要金融データサービスでは、12ヶ月先のアナリスト平均目標株価は30ドル前後、レーティングは「Buy」「Strong Buy」が多数を占めています。一方、ボラティリティ指標であるベータは1.83と高く、市場全体に対し約1.8倍の値幅で動く高ボラ銘柄です。

IonQとの比較:ピュアプレイ4銘柄の中での立ち位置

米国上場の量子コンピュータ・ピュアプレイ銘柄としては、IonQ・Rigetti・D-Wave・Quantum Computing Inc(QUBT)の4社が代表格です。中でも比較されることが多いIonQとRigettiの主要指標を比較します。

項目IonQ(IONQ)Rigetti(RGTI)
量子方式イオントラップ超伝導(チップレット型)
2025年売上(ガイダンス)約1.06〜1.10億ドル約710万ドル
期末現金等約35億ドル(2025年10月プロフォーマ)約5.9億ドル
事業段階商用化フェーズへ移行中研究・パイロット段階

売上の絶対額・キャッシュ規模ともに、現時点ではIonQの方が一段大きい状況です。Rigettiは依然として技術ロードマップ実行が最大のテーマであり、それゆえ株価のボラティリティもIonQ以上に大きくなりがちです。

投資する際のリスク・注意点

RGTI株は典型的な「高ボラティリティ・将来期待先行型」銘柄です。検討にあたって意識しておきたい主なリスクは次の通りです。

  1. 売上規模が極めて小さい:2025年通期売上は時価総額のわずか約0.13%。極端な高PSRが許容されているのは「将来の事業化期待」が前提です。
  2. 赤字が続いている:2025年GAAP純損失は2.16億ドル規模。黒字化には年単位の時間が前提となります。
  3. 希薄化リスク:開発資金確保のためATM増資・ワラント行使・第三者割当などで発行済株式数が増加してきました。今後も同様の希薄化が続く可能性があります。
  4. ロードマップ遅延リスク:2026年初頭にCepheus-1-108Qの提供時期が遅延した経緯があり、今後の計画も同様の遅延リスクを抱えています。
  5. 競合圧力:IBM・Google・Microsoftといった資金力の桁違いに大きい大手や、商用化が一歩先行するIonQと、限られた市場を奪い合う構図にあります。

RGTI株の買い方

RGTIは米国NASDAQ上場銘柄のため、米国株を取り扱う日本国内の証券会社で購入できます。SBI証券・楽天証券・マネックス証券・moomoo証券などが代表的な選択肢です。米国株の最低手数料・取引ツールの使いやすさ・少額投資のしやすさは各社で異なるため、自身の投資スタイルに合わせて口座を選ぶとよいでしょう。

具体的な購入手順は別記事「量子コンピュータ株の買い方|SBI・楽天・moomoo証券で購入する手順」で詳しく解説しています。

まとめ

Rigetti Computing(RGTI)は、超伝導方式×チップレット型モジュラーアーキテクチャという独自路線で量子コンピュータ事業に挑む米国上場企業です。最後にポジティブ・ネガティブ両側面を整理しておきます。

【ポジティブ要因】

  • 業界最大級の108量子ビット・モジュラー量子コンピュータを実機提供開始
  • 約5.9億ドルの潤沢な手元資金、無借金経営、3〜4年の開発ランウェイ
  • Quanta Computerとの提携で量産体制構築への道筋
  • 2026年末・2027年末・2033年と段階的なロードマップを公表

【ネガティブ要因】

  • 2025年通期売上は710万ドルと小規模で前年比減
  • PSR約660倍と極めて割高なバリュエーション
  • 継続的な希薄化リスク・ロードマップ遅延リスク
  • IonQ・IBM・Googleなどの競合圧力

RGTIへの投資は、ボラティリティの高さと事業化までの距離を理解した上で、ポートフォリオ全体に占める比率を慎重に決めることが重要です。短期トレード対象として狙う場合も、長期保有として組み入れる場合も、「想定外の価格変動が起きうる銘柄である」という前提に立つことが基本姿勢になります。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点(2026年4月)の公開情報に基づき作成しましたが、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。実際の業績・株価・ロードマップは予告なく変動・変更されます。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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